先日、お客様からお預かりしたクォーツ(電池式)の腕時計を点検し、「オーバーホールをおすすめします」とお伝えしたところ「機械式の時計はオーバーホールが必要ということは知っていたが、クォーツもする必要があるのか?」という質問をいただきました。
確かにクォーツの時計は電池交換をすることはあっても、オーバーホールをする機会は滅多にないのでご存知でない方も多いかもしれませんが、当店では以下のいずれかに該当する場合におすすめしています。
①電池を入れても動かない
②電池交換をしても数ヶ月ですぐに時計が止まる
③長い間止まっていた時計を再び使う場合
①に関しては、新品の電池を入れても動かないのは機械のどこかに不具合がある可能性が高く、分解掃除が必要だということがわかります。
②に関してですが、長い間腕時計を使っていると、油が古くなったり油切れが起きてしまい、針を動かす歯車に抵抗が生じてしまうのです。抵抗が生じることにより、新品の時に比べてより多くの電力を消費して歯車が動くようになり、すぐに電池が切れてしまうのです。この状態を改善するためには分解掃除が必要で、分解掃除後は電池交換の頻度も格段に減り、長く使っていただけるようになります。中の機械や使用状況によって差はありますが、だいたい2年に1度くらいが一般的な電池交換頻度になります。
③に関してですが、長い間止まったままの時計によく見られるのが電池の液漏れになります。時計が止まった時に電池を抜かずそのまま放置しておくと、液漏れが発生し、中の機械をダメにしてしまうことが多いのです。もちろん過去には液漏れせずに電池交換だけで済んだという事例もありますが、漏れた液が結晶化している場合は目に見えない程の粒子が機械に入り込んでしまい、すぐに動作不良を起こしてしまうこともあるため、基本的にはオーバーホールをおすすめしています。